ピュアな純愛映画「箱入り息子の恋」は大人版「小さな恋のメロディ」

「箱入り息子の恋」は、さえない男子のイタイ感じの、ドタバタコメディかと思っていたら、まったく違いました。

ピュアな大人の純愛映画。

「小さな恋のメロディ」という子供の甘酸っぱい初恋を描いた映画がありますが、大人版の「小さな恋のメロディ」といった感じ。

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故意に不器用な男女が、とまどいながらだんだん距離を縮めていく過程がほほえましいです。

心が洗われる、すがすがしさ、あったかさ。

不器用でも心から人を愛するっていいな、としみじみ思いました。

題名から勝手におたくのイタイ男子を想像して見るのをずっとためらっていましたが、見てよかったです。

テレビドラマ「逃げるははじだが役に立つ」でも、恋愛経験ゼロの30代男子を演じていた星野源さんが、「箱入り息子の恋」でも恋愛経験ゼロの一人息子を演じています。

なぜだろう?

個人的には、星野源さんご本人は肉食系男子なんじゃないかと思っているのですが。

好きになった女性には、まっすぐにアプローチしそう。

(私の勝手な想像です)

アマゾンプライムでも見れます。(2019年4月現在の情報です。視聴状況は変わることがあるので公式ホームページなどでご確認ください)

「箱入り息子の恋」という題名と、「35歳の恋愛経験ゼロの息子のために、両親が本人抜きの親同士の見合いに出かけ」というあらすじを見て、勝手にドタバタコメディで、恋愛経験のない35歳男子のイタイ感じにハラハラさせられる映画なんじゃない?と先入観を持ち、この映画を長いこと見てませんでした。

でも試しに見てみたら。

思っていた映画とまったく違いました!

ドタバタでもなく、イタイ感じもなく、大人の純愛映画といった感じ。

見てよかったです。

ドタバタでも、イタイ映画でもなく美しい映画

題名とあらすじを見て、勝手にドタバタコメディと思ってました。

ハラハラしつつも、あたたかい気持ちで見れて、やがて主人公の箱入り息子を応援する気持ちに。

「箱入り息子の恋」の映画を見た感想を、バクっと言い表すならば、恋を知らずに生きてきた男女が、不器用ながらも卑屈にならず、自分の気持ちに正直に一生懸命に恋する、純愛映画です。

往年の名画「小さな恋のメロディ」の大人版

「小さな恋のメロディ」という映画がありました。

恋をするには幼すぎる!と大人から言われてしまいそうな、そんな幼い少年と少女が恋をするストーリーです。

これを見ると、自分の幼い時に、幼いながらも恋をしたことを思い出して、懐かしいやら、おもはゆいやら。

でもやさしい、あたたかい気持ちに包まれる映画です。

「箱入り息子の恋」の主人公・健太郎は35歳。

「小さな恋のメロディ」と比べるとずいぶん大人ですが、恋愛経験値はほぼ同じ。

35歳ながら、ピュアな「小さな恋のメロディ」を大人版で見せてくれます。

何度も言います。

ドタバタコメディとか、イタイ映画じゃありません。

35歳が「小さな恋のメロディ」的なところを見せるので、コメディ的なところや「おい、おい(笑)」な場面はありますが、あたたかい気持ちでやさしい気持ちで見守れて、結果「小さな恋のメロディ」を見た後のように、自身の恋に不器用だった時代を思い出して懐かしい気持ちにひたれます。

人との付き合いが苦手、という人におすすめ

恋愛以前に、同性や上司、先輩などの、人間関係が苦手というかたもおられるでしょう。

職場や学校で、うまくとけこめない、スムーズに人とつきあえない。

そんな人こそ、見て!と言いたい映画です。

職場も学校も、狭い世界です。

地球にはもっともっと、人がいます。

どこかにきっと、合う人がいるという希望が持てる。

そして、人付き合いが下手でも(主人公も職場では、同僚とほとんど交流なし)、人間関係が苦手でも、恋はできるはず!

親子関係も恋愛関係も同僚関係(友人関係)も同等が基本

誰かの言いなりになるのではなく、みんな人間関係は同じ立場で、同等でつきあおうという映画だと思います。

主人公の箱入り息子・健太郎の両親にしても、父親は母親のいいなりなのかなあ、と思っていたら肝心な場面では父親は母親を叱り飛ばしたり、健太郎の両親は健太郎のことがわからないと思いつつ、健太郎がいつもやっているコンピューターゲームをやってみたりします。

健太郎の恋のお相手となる奈穂子の母親にしても、夫に従順な妻かと思いきや、奈穂子と健太郎の恋を見守るにつれて理不尽な夫に反抗するようになります。

みんな、人間はだれかに従属するのではなく同等。

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健太郎はオタクで屈折していましたが恋で変わります

そこが、この映画のいいところ。

映画の冒頭では、誰にも受け入れられないからと健太郎は自ら他者とのかかわりを断っている日常が映し出されます。

市役所で無感情に時間きっちりに働き、お昼ご飯は職場近くの自宅(両親と同居)に帰宅し、母親が用意した昼食を食べます。

帰宅後は、自宅の自分の部屋でひたすらコンピューターゲーム。

友といえば、おたまじゃくしから飼って育てたカエルだけ。

でもこのカエルへの愛情の深さは、職場で使っているカエルグッズの私物でそれとなく感じられ、彼が決して愛のない人間ではないとわかります。

初めての恋のもどかしさ、ういういしさ

恋をしたことがない2人が恋をするのですから、そこにはもどかしさやういういしさが見られます。

でも健太郎も奈穂子も大人なので、2人でうろたえつつも、力を合わせて乗り越えていきます。

その2人の姿が美しいです。

だから突拍子もない健太郎の行動も、イタイというより一生懸命さが強調されて、思わず「がんばれ!」と応援モードになってしまいます。

品のいい、大人のエスプリのきいた笑い

健太郎の突拍子もない行動は、時にとんでもない結果も生み出しますが、それはクスっと笑える大人のエスプリのような感じ。

品のいい、大人が楽しめるコメディ映画の側面もあります。

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なんだか忙しい毎日に、心が疲労して、カサついてきたようなときに、おすすめの映画です。

主人公の2人の純粋さと、不器用な一生懸命さに、やさしい、あたたかい気持ちになれると思います!