泣いて笑えて心があたたかくなる映画「トワイライト ささらさや」

2014年公開の映画「トワイライト ささらさや」

何の予備知識もなく、なにげなく見た映画です。

でもこれが、本当にいい映画でした。

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ほろっとできて、くすっと笑えて、見終わった後は、心があたたかくなる、そんな映画でした。

脚本は5年かけて練り上げられたのだとか。

なるほど、ストーリーもよくできていると思います。

アマゾンプライムでも見れます。

(2024年3月現在の情報です。視聴状況は変わることがあるので詳細は公式ホームページでご確認ください)

U-NEXTでも見れるようです。

(2024年3月現在の情報です。視聴状況は変わることがあるので詳細は公式ホームページでご確認ください)

大泉洋さんが売れない落語家って設定がほんわか雰囲気でいい感じ

大泉洋さん演じる売れない落語家ユウタロウと、新垣結衣さん演じるユウタロウの妻サヤを軸として、物語が展開します。

大泉洋さんは売れない落語家。

サヤと結婚し子供が生まれ、これから幸せになる!というところで早々に事故で死亡、でも妻が心配で成仏できない幽霊という役どころ。

この設定で大泉洋さんならおもしろそう、と思いました。

往年の人気テレビ番組「水曜どうでしょう」で大泉洋さんを知ったかたなら、このちょっと情けなさそうなシチュエーションは、彼の得意とするところ!と思うはず(笑)

映画の冒頭、落語家スタイルで、大泉洋さんがこの映画の口上を述べます。

そこで

「この映画、おもしろいかも」

と期待大。

そして、そのまま一気に飽きることなく映画の結末までもっていかれました。

ガッキー演じるサヤのご近所さん達が、ベテラン揃い

ガッキーこと新垣結衣さん演じるサヤが移り住む、ささらという場所。

ジオラマで映される風景がいかにも田舎風ながら、どこか懐かしく、親しみやすい感じです。

(時々はさんでくる、このジオラマの風景も心憎いです)

この、ささらの地でサヤの隣人となる三婆が最高。

(「三婆」という有名なお芝居があります。興味があったらググってください。)

女学校時代からの友達だという、この三婆。

(こんなふうに、お仲間と一緒に歳をとるのも楽しそう。)

時々けんかしながらも結局は仲良しな感じが、お芝居の「三婆」を思わせます。

このサヤの隣人となる三婆が豪華。

まずその1人久代 を演じるのは、あの歌舞伎の名門出身中村勘九郎さん(ついこう呼ぶけど、現・勘九郎さんのお父様)のご親戚、 波乃久理子さん!

若い方はご存じないかも。

でも昔は数々の名作ドラマに出演なさっていた名女優。

独特の、でもくどくない存在感を感じるかたです。

そしていつもサヤの家をのぞいているけど困っている時にはすぐに助けの手を差し伸べる、珠子を演じる藤田弓子さん。

珠子のキャラも結構キテますが、藤田弓子さんも演技派。

サザエさんの作者、長谷川和子さんの一家をドラマ化した、かなり昔の朝のNHK連続ドラマ小説「まあ姉ちゃん」では長谷川姉妹の、太っ腹で天然なお母さん役が印象深い女優さんです。

そして、お夏 を演じた富司純子さん。

七代目尾上菊五郎という名門歌舞伎の奥様でありながら、その昔はお昼のワイドナショーで司会もつとめておられました。

その司会時代に「どん底(どんぞこ)」と言うべきところを、なぜか「ずん底(ずんぞこ)」と言ってしまった天然キャラで皆に愛されたかたです。

ちなみに娘さんの寺島しのぶさんも、演技派で有名。

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石橋凌さんも、いい味出してます!

ユウタロウとサヤは共に天涯孤独の身同士の夫婦と思われていましたが、ユウタロウが亡くなった後、実はユウタロウには会社を経営する父親がいたことが判明します。

この父親を石橋凌さんが演じます。

こういう大きな会社の社長とか、重みのある役が似合う俳優さんです。

その昔1980年代にはロックバンドARBのボーカルとして、鳴らしておられました。

その時のかっこよさのまま、歳を重ねておられる感じ。

今でもかっこいいまま。

ちなみに奥様は、黒澤監督の「乱」にも出演されていた原田美枝子さん。

この映画では他とはちょっと違う、石橋凌さんを見ることができます。

赤ちゃんと子供の可愛さがいい!

映画では生まれて間もないユウスケを残して、ユウタロウは事故で亡くなります。

このユウスケが生まれて間もないところから、寝返りをうつ→座る→立つという成長を見せてくれます。

赤ちゃんながらそのつぶらな瞳で、さまざまな感情を訴えるかのよう。

サヤに

「おい、しっかりしてくれよ。」

というような表情もあったりしてユウスケの表情や動きに、いちいち癒されます。

そしてもう1人。

サヤと友達になるシングルマザーのエリカの子供、ダイヤ役の寺田心くん。

「おんな城主 直虎」で虎松の幼少期を演じていました。

この寺田心くんの演技力がすごいです。

幽霊となったユウタロウが寺田心くん演じるダイヤに乗り移って、サヤやダイヤの母親にぶちかますシーンがあるのですが、寺田心くんはユウタロウに乗り移られたダイヤを見事に演じて、大人顔負けの長いセリフも余裕でこなしています。

将来有望!

安心して最初から最後まで、楽しめる

ストーリー展開としては

「次はこうなるんだろうなあ」

と先が読めるしなんとなく結末も予想がつくのですが、だからと言って、退屈とか、ありきたりだとか、そういう映画ではないです。

先が読めるからこそ、安心して楽しめるという感じ。

日本映画の王道を行く映画だと思います。

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