あまり期待せずに、何気なく見始めたら
「何?これ、ええやん!
見て良かったあ!」
と得した気分になる映画というのが、あります。
この「あしたは最高のはじまり」もその1つ。
あらすじとしては、一夜の遊びの恋のつもりだったのに、自分の知らない間にその女性が赤ちゃを生んでいて、ある日突然
「あなたの子よ」
と赤ちゃんを置いて、母親は姿を消すという映画。
今までも、そのパターンの映画はいくつか見たので
「また、そのパターンか
映画では、ありふれた話やんか」
と思いつつ、ポスターの女の子と父親の笑顔があんまりあっけらかんと明るいので、何気に見てみたら。
いい!
すごくいい!
期待してなかった分、得した気分になりました。
映像もきれいだし、しゃれてるし、心に残るセリフもあるし、ストーリーだって、最後にどんでん返し的な以外な展開が2回も!
「明日は最高のはじまり」は、また見返したい映画のリスト入りです。
いい映画、見ちゃいました!
ちなみに私はAmazonプライムで見ました。
(2020年3月現在の情報です。
詳細は公式ホームページでご確認ください。)
それでは、「ある日突然、お父さんが子供を育てるはめになっちゃった!」という同じパターンの映画のご紹介と、「あしたは最高のはじまり」のみどころや感想です。
ある日突然、子育てに悪戦苦闘することになっちゃった父親の映画
ある日突然、思いがけず
「あなたの子よ」
と子供をおしつけられた父親が、悪戦苦闘しなが子育てするうちに父性にめざめるという映画は、「あしたは最高のはじまり」の他にもいくつかありました。
「クレイマー、クレイマー」
1979年公開映画でアカデミー賞も受賞した「クレイマー、クレイマー」
ダスティン・ホフマンとメリル・ストリープが主演。
正確に言うと
「あなたの子よ」
と子供を押し付けられたのではなく、仕事人間の夫が妻に出て行かれて、残された子供の育児をするはめになるお話。
有名なフレンチトーストのシーンがあって、最初は朝食を作るにも大騒ぎ(しかも大失敗する)だったのに、父と子の絆が芽生えると、2人で息ぴったりに、協力しあってフレンチトーストを作るようになります。
映画の終盤で、父と子が、ある想いを胸に秘めながら、言葉少なく2人でフレンチトーストを作るシーんは名シーンです。
いい映画です。
主演のダスティン・ホフマン、何年か前の#Me Tooが盛り上がっていたころに何人かの女性にセクハラを告発され、謝罪したのだとか。
いい映画によく出てるし、いい俳優さんだと思ってたんだけど、残念。
このダスティン・ホフマン。
なぜかいろんな人の歌に出てきます。
例えば、サザンオールスターズの「Big Star Blues (ビッグスターの悲劇)」という曲に登場。
ゆずは、そのままずばり「ダスティンホフマン」という曲。
映画「卒業」でのダスティンホフマンを歌った感じです。
今ではすっかり俳優さんって感じの石橋凌さんは、もともとはロッカー。
その石橋凌さんのバンドで、私も大好きだったARBの曲「ウィスキー&ウォッカ」の歌詞にもダスティン・ホフマンが出てきます。
他にも、まだまだありました。
そのくらい、有名で絵になる俳優さんだったのに。
陰でセクハラしとったんかいっ!
「パパは奮闘中!」
「パパは奮闘中!」は2018年公開映画。
こちらも「クレイマー、クレイマー」と同じく、妻に出ていかれたお父さんが育児に奮闘。
子供は男の子2人で、「クレイマー、クレイマー」より人数が増えてます。
ベルギー出身の監督とフランス人俳優で作られた、ヨーロッパ映画。
ヨーロッパの映画って、地味な庶民の生活を描いていても、どことなくおしゃれなところが好きです。
この映画、実はまだ見ていないのですが、カンヌ映画祭など、数々の賞を受賞しているので、時間を見つけて見てみたいと思っています。
「世界で一番パパが好き」
2004年公開映画「世界で一番パパが好き」
ベン・アフレック主演。
有能なビジネスマンだったベン・アフレックは、出産時に妻が亡くなったため、自身の父親が住む田舎に引っ越します。
そこでブルーカラーの仕事をしながら、娘を育てるというお話。
これも心あたたまる、いい映画でした。
でもこちらの主演のベン・アフレックもセクハラを告発されて謝罪したようです。
お前もかいっ!
スリーメン&ベビー
「あなたの子よ」
と思いがけず、子供を押し付けられるパターンなのが、1987年公開映画「スリーメン&ベビー」
1985年のフランス映画「赤ちゃんに乾杯」のリメイク版です。
ニューヨークで共同生活をしながら、独身生活を満喫中の3人の男たち。
ある日、彼らのもとに赤ちゃんが届き、母親は姿を消します。
ドタバタと慣れない赤ちゃんの世話をする3人。
気軽に観れる、楽しいコメディ映画です。
「あしたは最高のはじまり」のみどころと感想
「あしたは最高のはじまり」のお話にもどります。
この映画がどんなふうにいいかというと、もし友人に
「なんか最近、ええ映画見た?」
「なにか、おすすめの映画ない?」
と聞かれたら、この「あしたは最高のはじまり」を勧める!と思うくらい、いいです。
本当におすすめ。
楽しいし、明るいけど、それだけで終わらない。
見終わった後に、生きる指針が残ります。
そして、美しい海、おしゃれな部屋など、映画ならではの目を楽しませてくれる映像も。
そして「最強のふたり」に出演していたオマール・シーが演じるサミュエルと、その娘グロリアの笑顔がいいです!
この笑顔を見るだけでも、この映画を見る価値あり!と思ってしまうくらい。
ここから少しネタバレを含みます。
サミュエルはフランスの、のどかな海辺の田舎に住む、とにかくパーティが好きな、楽しけりゃいいんだろうなと思わせる、見事なチャラ男。
そこに、以前、一夜を共にした女性が訪ねてきて、赤ちゃんを置いていきます。
「あなたの子よ」
です(笑)
サミュエルは最初、その子を育てる気はなくて、赤ちゃんの母親を探しにロンドンへ出るのですが、母親は勤めていたお店を辞めていてサミュエルも一文無しになって途方にくれます。
ここでフランス語が話せるベルニーと知り合い、ロンドンに腰を据え、ベルニーと男2人で赤ちゃんを育てていきます。
サミュエルはスタントマンの仕事につき、仕事も成功。
やがて娘のグロリアは8歳に。
英語が話せないサミュエルのために通訳したり、8歳ながらもサミュエルのよき相棒といった感じ。
サミュエルも、ベルニーも、グロリアにありったけの愛情をそそいでいます。
この3人がいいんです!
3人でわいわいと一緒にいる姿を見るだけで、癒されます。
サミュエルもただのチャラ男から脱皮。
でもグロリアを楽しませたい!という熱意は、他の父親を上回る感じ。
それがとってもいいです。
この「あしたは最高のはじまり」のいいところは、楽しくて癒されるだけでは終わらないところ。
映画の冒頭に、子供時代のサミュエルが父親と海岸の高い崖の上い2人で立っていて、父親に
「恐れは動物のようなもの。
殺すなり、手なずけるなりして前に進め」
というようなことを言うシーンが出てきます。
お父さん、いいこと言う!
こんな教えを受けたサミュエルは、さぞや立派な大人だろうと思っていると、いきなり大人になったサミュエルがチャラ男として登場(笑)
この「おい、おい(脱力)」のギャップから、次々とストーリーは展開していくので、飽きません。
そして、映画の最後に、サミュエルはグロリアと、その崖にまた戻ってきます。
ここからが、胸にしみるシーンが続きます。
胸にしみるけど、悲しいというとは違って、やさしさを伴ったせつなさというか。
でもあたたかさが多めな感じ。
映画の最後に、サミュエルのつぶやきで(正確な言葉は忘れましたが)
「勇気を出して前に進め。
そして楽しめ」
というセリフがあります。
これ、サミュエルとグロリアのストーリーを見た後だと、心に響くというか。
言葉の重みを感じるというか。
「勇気を出して進め。
そして楽しめ」
って、生き方として、本当に正しいと思います。
この言葉をかみしめて、映画を振り返ってみると、実はサミュエルは何度も勇気を出して、進んで、そしてその過程を楽しんでいたんだなあと感じます。
いや、これ、絶対、また見る。
私が見た映画の中で、ベスト10に入れていいと思ってます。
でもしばし懺悔。
子供のころから物忘れがはげしいので、何を見たか、見た映画をわりと忘れます。
ひどいときには、映画を最後の結末まで見て
「あ、このオチ!前に見た!」
と気づくことさえあります。
そんな私のベスト10入り。
いや、ベスト10の数字は不確かですが、絶対いい映画です!