久しぶりによい映画を見ました。
見た後にすがすがしい、あたたかい、前向きな気持ちに。
あらすじで「統合失調症の男子高校生が主人公」と見て、ちょっと重たい映画かな?と違いました。
苦難もありますが、さわやかめかな?
涙、だだもれの悲しい映画でもありませんでした。
そして妄言じゃないにしても、心の中の声に従ってしまって現実が見えなくなるのは、統合失調症だけじゃないかもと思いました。
ちょっと元気が足りない、前向きな気分になりたいときにおすすめです。
私はU-NEXTで見ました。
「僕と頭の中の落書きたち」を見るにはポイントが199円分必要ですが、入会するとポイントをもらえるのでそのポイントで見ることができます。
(この情報は2022年8月現在のものです。時期によって状況が変わることもあるので詳しくは公式ホームページでご確認ください)
体力、気力が若い時ほどないせいか、あまりヘビーな映画や心を激しくゆさぶられるような映画は敬遠しがちになりました。
できればさわやかで、気持ちが明るくなる映画を見たい。
そしてラブコメばかり見て。。。。飽きました(笑)
しばらくは中国宮廷ものの、ライバルには毒を飲ませるという大奥ばりの陰謀うずまく刺激大のドラマにはまりました。
そして人間のあたたかさ、やさしさが恋しくなりました(笑)
そんなときに、この「僕と頭の中の落書きたち」を見ました。
最初は最後まで見るつもりはなくて
「どんな中身だろう」
くらいの気持ちで見始めたら。
統合失調症の男子高校生が主人公なので、さぞやつらく苦しいシーンがあるだろうと思いきや。
映画ってすごい。
そこはさらっと、見ていてつらくない程度に。
でも統合失調症の男子の目線で物語が進むので、彼の悩み、苦しみを見ることになります。
なんとなく統合失調症って道端でぶつぶつ言っていたり、突然叫びだしたり、ときに暴れたりというイメージを持っていましたが、当人はこんな感じなんだなと。
そして普通の人間なんだと思いました。
(当人は普通になろうともがくわけですが)
統合失調症の彼には幻想が見えて、他の人には見えない架空の人物が何人か見えます。
そしてその架空の人物にいろいろ言われるわけです。
ときにその架空の人物たちが、正反対の意見を言ったりするので彼は混乱したりもします。
でもここまでひどく深刻ではないにしろ、似たような経験は誰にでもありそうです。
心の中で
「絶対に大丈夫」
と思う自分と
「絶対に失敗する」
と思う自分がせめぎあうなんてことは日常茶飯事だし、ときにやってみなくちゃわからないことでも
「絶対に失敗する」
という気持ちが勝って、さっさとあきらめたり。
これって、現実をちゃんと見ていないし、自分の妄想や妄言を信じて行動しているということでは?
そんな経験ありませんか?
私はあります。
統合失調症じゃないから、そういった心の中の声にうまく対応して社会生活に対応できているのかなあと思いますが、必ずしもそうじゃないかもと思ったり。
統合失調症じゃなくても
「私はだめだ」
と思い込んだりするし。
統合失調症じゃなくても、生きづらさを抱えたりするし。
ときに現実を正しく見ないで、自分に都合よく解釈することもありますが、それも幻想を見ていると言えなくもないんじゃないかと思ったりました。
ここからはちょっと結末にふれるのでご注意ください。
最後のほうで主人公が
「僕は誰にも愛されないと思っていた。
みんなに迷惑な存在だと思っていた」
と言って、実際には支えてくれる人たちの存在に気付くのですが
「誰にも愛されないと思っていた」
というところ。
「誰にも愛されない」
というのも、実際にそういうつらい境遇もありえるかもしれないけど、そうじゃない場合も少なくないんじゃないかと。
自分でそう思い込んでいる場合も少なくないんじゃなくかと。
「誰にも愛されない」
も妄想の1つかもしれないとこの映画を見て思ったし、この映画は統合失調症の人だけじゃなくみんなの物語だと思いました。
「最近いい映画見た?」
と聞かれたら、絶対すすめたい映画です。
同じように障害を扱った映画だけど、見た後に前向きな気分になれる映画です。
障害じゃないけど生きづらさを抱えている主人公に励まされる映画です。
ドキュメンタリーだけどこれも見てよかった映画です。