「500ページの夢の束」は自閉症の少女ウェンディが、自分の夢を実現するために、みんなに内緒で1人で旅に出る物語。
2017年公開のアメリカ映画です。
いい映画でした。
ウェンディは数々のセリフも暗記しているくらいの「スタートレック」の熱心なファンで、旅の途中でトラブルにあうたびに、スタートレックのセリフをつぶやいて自分を奮い立たせ、困難を1つ1つ乗り越えていきます。
このウェンディがつぶやくスタートレックのセリフの1つ1つが、とてもいいです。
この先、このセリフをお守りのように大切にしていきたくなります。
何度でも見返したくなりそうな映画です。
なるべくネタバレしないように気を付けながら、「500ページの夢の束」について書いてみます。
自閉症で人とコミュニケーションをとることが苦手なウェンディは、旅の途中で、さまざまなハプニングに出会います。
悪い人にだまされたり、親切な人に助けてもらったり。
へんなやつだと思われたり。
初めての1人旅で、わからないことだらけで困っても、ときにはこわくなっても、ウェンディは大好きな「スタートレック」のセリフの中から、自分を鼓舞する言葉を見つけて口に出し、自分をふるいたたせます。
ここ、すごいと思います。
これができる大人って、そんなに多くないかも。
何かにつれ、できない理由をあげて、自分に言い訳して、面倒やたいへんなことからは逃げがちかも。
やりたいことも、理由をつけては後回しにしたり。
私は「500ページの夢の束」をU-NEXTで見ました。
(2020年9月現在の情報です。
配信状況は変わることがあるので、公式ホームページで詳細はご確認ください)
アマゾンプライムでも見れるようです。
(2020年9月現在の情報です。
配信状況は変わることがあるので、公式ホームページで詳細はご確認ください)
自分を鼓舞する姿勢を学びたい「500ページの夢の束」
「500ページの夢の束」のあらすじ
自閉症のウェンディは、「スタートレック」の熱心なファン。
人とのコミュニケーションの取り方はちょっとユニークで、たまにパニックを起こすこともあります。
普段は施設で暮らしていますが、唯一の肉親である妊娠中の姉が実家に住んでいます。
ウェンディは実家に帰りたがっていますが、妊娠中の姉は子供が生まれたらウェンディと子供の両方の世話をする自信がなく、ウェンディと一緒に暮らせそうにありません。
そんな中、ウェインディは大好きな「スタートレック」の脚本コンテストに応募するために原稿を書き上げましたが、郵送で出すと締め切りに間に合わないことに気づきます。
ウェンディは、ここであきらまません。
「どうしよう。どうしよう」
と何か方法がないか、一生懸命考えます。
そして自分で直接届けることを決心して、誰にも告げずに施設を抜け出します。
施設の冷蔵庫にあったピーナッツサンドイッチをカバンにつめて、愛犬ピートとハリウッドまでの数百キロの旅に出ます。
施設を抜け出したものの、ウェンディにとっては近所の大通りを1人で渡るのも怖くて仕方ありません。
前途多難なウェンディの旅がはじまります。
前に進む勇気が欲しいときにおすすめ!
「500ページの夢の束」は、何かに挑戦したいけど躊躇しているようなとき、迷っているけど前に進む勇気が欲しいときなどに、おすすめの映画です。
ウェンディが壁にぶつかるたびに思い出す「スタートレック」のセリフは、どれも心に響くものばかり。
怖いけれど、夢のために勇気を出して進んでいくウェンディを見ているうちに、こちらにも勇気がわいてきます。
私は「スタートレック」は見たことがないのですが、この「500ページの夢の束」を見て、「スタートレック」も見たくなりました。
ウェンディが大好きな「スタートレック」とは
「スタートレック」とは、1966年に始まった、アメリカのSFテレビドラマの人気シリーズです。
当時は人種差別のためにあまりテレビで活躍することがなかったアフリカ系アメリカ人女性の女優が出演したり、登場人物の中にゲイの人がいたりと、時代を先取りしたような、多様性を受け入れる平等な世界を描いていることでも評価されているようです。
「スタートレック」の登場人物の1人、スポックは感情を表現できない人物で、コミュニケーションがうまくとれないという悩みを持っている人物として描かれているのだとか。
現代でこそ「アイ・アム・サム(I am Sam)」など、自閉症や知能のハンディキャップを抱えた人の映画ができていますが、この1960年代という時代に、スポックのような発達障害を取り上げて描くというのは、かなり時代を先取りしたものだったようです。
ちなみに「500ページの夢の束」でウェインディを演じたのは、「アイ・アム・サム」で娘役として名演技を見せたダコタ・ファニング。
素敵な女優さんに成長しています。
この「アイ・アム・サム」は、知的障害を持つ父と、幼い娘の物語。
ショーン・ペンが父親を演じていて、こちらも心温まるいい映画でおすすめです。
「天才スピヴェット」を思い出しました
「500ページの夢の束」を見て、以前見た映画「天才スピヴェット」(2013年公開、フランスとカナダの合作映画)を思い出しました。
「天才スピヴェット」の主人公は、ウェンディとはうって変わって、天才的な頭脳を持つ10歳の少年スピヴェットが主人公。
カウボーイの父、昆虫学者の母、アイドルを夢見る姉と一緒にモンタナの農場で暮らしていますが、スピヴェット双子の兄弟が亡くなってから家族は皆その悲しみを引きずっていて、なんとなく家族もばらばらといった感じ。
ある日、スピヴェットにスミソニアン学術協会から権威ある科学賞が授与されることになります。
スピヴェットはその授賞式に出るために、家出して、1人でその会場を目指す旅に出ます。
「500ページの夢の束」も「天才スピヴェット」も、夢に向かって、未知の世界へ1人で踏み出すロードムービーです。
自閉症と子供という違いはありますが、まったく未経験なことにチャレンジするというところは同じ。
でも切り口も、旅の途中の困難の乗り越えかたもそれぞれ違います。
「天才スピヴェット」は、フランス映画らしい映像の美しさも楽しめて、おすすめです。
ありのままの自分で好きなようにしてええやん!と思える
「500ページの夢の束」を見て、夢に挑戦する資格があるかないかじゃなくて、挑戦したいなら挑戦してみればいい!と思いました。
できないことが多くでも、不器用でも、「好き」という気持ちを大切にするウェンディは清い。
劣等感を持つばかばかしさ、も感じました。
もう、ありのままの自分でいい。
ありのままの自分で、自分の「好き」という気持ちを大切にして、挑戦したいことには挑戦したらいいのだと思いました。
「500ページの夢の束」は、何かに挑戦したいけれどなかなか勇気が出ない人に、ぜひおすすめです。
映画の中のウェンディと同じく、迷いながら、おびえながら、挑戦すること。
結果じゃなく、その過程にこそ幸せの種が落ちてそうです。
私は「500ページの夢の束」をU-NEXTで見ました。
(2020年9月現在の情報です。
配信状況は変わることがあるので、公式ホームページで詳細はご確認ください)
アマゾンプライムでも見れるようです。
(2020年9月現在の情報です。
配信状況は変わることがあるので、公式ホームページで詳細はご確認ください)